トンビとチョウゲンボウ

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 最近散歩をしていると猛禽類を見る事が多くなった。気候のせいだろうか。今まではトンビ以外はあまり見かけなかったのだが。



 トンビはピーヒョロと鳴きながら、クルリと輪を描いている。

 輪を描くのが目的ではなくて、一カ所にとどまるためだ。トンビには上昇気流が見えるのだろう。上昇気流の柱の中にとどまっていれば、自然に高度が上がっていく。

 しばらく様子を見ていると、10回も回らないうちに、その辺りの山の高さくらいには上昇する。つまり、一回回るだけで100m程は高くなるようだ。すごい上昇力だ。

 ほとんど羽ばたかずに、風の力だけで1000m程も上昇するのには感心する。


 ノスリも輪を描いて上昇するが、トンビのように上手ではない。それでもクルクル回りながら尾根を越えていく。



 チョウゲンボウはホバリングする。強風の日にムキになってホバリングしているのを見かける。

 私は歳と共に涙もろくなってきたので、冬の強い北風の中で必死にホバリングしているチョウゲンボウを見ると、ついウルッとしてしまう。



 同じ猛禽類でも、風に乗って高空に舞い上がるトンビと、強い風が吹くほどそれに逆らって飛ぶチョウゲンボウと。どちらもうらやましい生き方だ。




【蛇足】 トンビは猛禽類だが、タカなどと違って、上空からウサギを見つけてヒューンと急降下して捕まえる、というような真似は出来ない。せいぜい人間からサンドウィッチをかっぱらうくらいだ。

 それに、餌をとるためだとすると、少し高いところまで上がりすぎる。輪を描いて上昇するのは、移動のためだろう。