日付が読めない

  
・仕事術にもどる

   
 かつてコンピューターの2000年問題というのがあった。

 当時はコンピューターのメモリーは高価だった。プログラミングの際に、コンピューターのメモリーをケチるあまり、西暦の下2桁しかメモリーに入れていなかった。

 そのプログラムを作ったのは1970年とか80年代で、20年後にそのソフトが使われているというとは思いもしなかった。

 そうして西暦2000年を迎えて、コンピューターには「01年」が1901年か2001年か区別が付かなくなってしまった。その結果、コンピューターが暴走したり判断を誤って、重大な事故になる可能性があった。



 病院や銀行、列車制御など、もしコンピューターがミスをしたら取り返しが付かない分野では、2000年が近づくに従って必死の対応を迫られた。世界中でソフトウェア技術者が不足して、パニック寸前だった。



 なんとか2000年をクリアしたのだが、のど元過ぎれば何とやら。

  
 これはある検査データだが、2013年か平成13年か分かるかな。

 「平成」が付いていないから、恐らく2013年だという事は想像できる。

 しかし、一抹の不安が残る。

 頭に「20」か「平成」をつければすむのに、たったそれだけの手間をおしむ。
  
 今はメモリーがビックリするほど安くなったので、勿論、メモリーには「2013」と記録されているはずだ、それをわざわざ「13」と表示する。

 西暦しか使っていない国では、もし「13年」と書いても問題が生ずるのは1000年先なので(自分が生きているうちには)問題は起きない。だから多分そうしているのだろう。

 しかし、元号を併用する日本でそれを真似したらマズイに決まっている。そこで教訓。

(1) 訳も分からずに外国の真似をしない方が良い。

(2) ちょっとした手間を惜しんで、「あいまいさ」を発生させるのはやめよう。

(3) 他の人や20年後の自分にも分かるメモを取ろう。



 ついでに脱線しておくと。

(1) 原子力発電所を初めて建設した時(1970年 敦賀原電1号機)、核廃棄物の処理方法は開発されていなかった。しかし、30年も先の事だから、その頃には何とかなっているだろうと、見切り発車した。

 かれこれ50年経つが、まだ処理方法は確立していない。どころか、全く目処も立たない。



(2) アベノミクスはあまり上手くいっているように見えないが、まあまあ上手くいって、もし仮に中途で頓挫しなくても、最長15年ほどで破綻する計算になる。15年も経てば何とか良い解決方法が出てくるんだろうなあ。・・・なんてね。