フェライトコア入りコイルの周波数特性

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 トラジェネとスペアナの間にコイルを入れて、減衰を調べる。

 減衰が大きくて、周波数による変動が無いのが優秀なチョークだ。

 コイルの中に入れたコアの性能がそのままコイルの性能になる。
 トラッキングジェネレーターとスペクトラムアナライザの間を、40cmくらいの同軸ケーブルでつないだスペクトル。

 ほぼ平坦で、周波数が高くなると、徐々に損失が大きくなる。
   
 同軸ケーブルの真ん中辺で切って、60Ωの抵抗でアースする。切ってつないだだけだが、特性が波打つ。

 この実験の主眼では無いが、1/8Wのカーボン抵抗でも1GHz程度なら、問題なく使えることがわかる。


     
   
 昔は捨てるほどあったメガネコア。テレビアンテナの平行フィーダーの整合を取るために、テレビのアンテナ端子に付いていた。

 メガネコアに5回巻きのチョーク。100MHzあたりから上はほぼフラットで、優秀なチョークであることが分かる。

 ほとんどゴミ扱いだったが、知っていれば買い込んでおいたのに。


   
  
 T-25-10に5回巻きのチョーク。

 低い周波数での減衰が足りない。#10材のミューが小さいので、インダクタンスが足りないのだろう。

 かと言って、巻き数を増やすと浮遊容量が大きくなって、高い周波数の特性が悪化する。

 この用途には#10材ではμが小さいということだろう。


   
   
 チョークによく使われるFB-801-43フェライトビーズに5回巻きのチョーク。

 周波数の高い方で減衰が小さくなる。T-25と比べて分厚く、巻き線が長くなるので、浮遊容量が大きいのかも知れない。あるいは#43材は高い周波数でμが低下するのかも知れない。


   
  
 それでは、高い方を改善するために、FB-101を直列に入れてみた。

 よく見比べると、800MHz以上でわずかに減衰が大きくなっているが、ほとんど効果は無い。


   
  
 FB-801を2個直列にしてみた。巻き数は3+3=6回。

 変なディップがあるが、これはリード線が少し長すぎるからか。実装する時はギリギリまで切り詰める。

 500MHzまでなら、これが一番特性がよい。私は430MHzバンド以上はやる気がないので、これで十分だ。

 同じくFB-801を2個直列にして、巻き数を4+4=8回にしてみた。

 低周波数側が少し良くなって、50MHZくらいまでは使えそうだ。

 その代わりに高周波数側が悪くなったが、500MHz以下では問題は無い。
  
 それにしても、今回はメガネコアの優秀さが分かった。今後、もし見かけたら、買い占めておこう。