包丁を研ぐ(2) 工事中!!

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 まず、「包丁を研ぐ(1)」の間違いの訂正。

 左図のδ(デルタ)の計算の結果は、約2.3°だ。π(3.14)で割るのを忘れた。

 つまり、このようにしても、包丁研ぎの解説に見られる「15°」の刃先にはならない。
 では、どちらが本当なのか。

(1) 上図のように研ぐのが正しい。即ち、包丁の刃の角度は2.3×2=約5°に研ぐ。

(2) 包丁の刃の角度は15°が正しい。即ち、上図のようにしては正しく研げない。
 刃物を研ぐ場合に最も大切な事は、角度を一定に保って磨ぐ事だ。

 ネットで見ると、包丁と砥石の間に10円玉を2枚はさむと、刃先の角度が15°になるという。
  

 ネットでは、たまたまだれかが言い出したデタラメを、そのまま引用していることが非常に多い。ネットは都市伝説の宝庫だ。

 失礼だが、10円玉2枚で15°になるかどうか、計算してみた。

 10円玉の厚みを1mm、包丁の刃の幅を5cmとすると、上図の通り、2/50の arctan を計算すればよい。答えは7°ちょっとになる。両刃だから刃先の角度は14°くらいで、大体合っている。

 因みに、ナイフはもう少し刃先が鈍くて、20°くらいが良いそうだ。



 刃物を研ぐときに角度を一定に保つ道具がいろいろ売っている。300円くらいのものから2万円くらいまで各種ある。

 しかし、ちょっと練習すれば、まあまあ実用程度には研げるようになる。週に一度、家庭の包丁を手入れする程度なら、わざわざ道具を買うほどの事はないと思う。


   
 安物の包丁で練習する。

 上手く研げると、安物の包丁でも随分良く切れる。

 仕上砥があるともっと良く切れるようになるそうだが、素人はこんなもので良かろう。

 今度はナイフを研いでみようか。


 ステンレスの加工をしてみると分かるが、鉄と比べて粘っこくて、加工に手間がかかる。熱も電気も通しにくい。錆びない事を除くと、あまり扱いやすい金属ではない。(チタンはもっと面倒だそうだ。)

 ステンレスの包丁は鈍りやすいくせに、磨ぐには手間のかかる面倒な代物だ。