慰安婦像の移転    2015.12/31


・考え事にもどる

   
  
 長らくもめていた慰安婦問題の日韓合意がなされ、一応の解決を見た。

 ところが合意が発表された翌日、朝日新聞が「日本政府の10億円拠出は、慰安婦像の撤去が条件」という記事を一面トップに出した。

 恐らくこれは誤報だろう。あるいは捏造か。

 安倍内閣としても、韓国側が弱気になっている今こそこの問題を片付けてしまいたいはずだ。慰安婦像の撤去も確かに大きな問題ではあるが、面倒な条件をつけて、合意が暗礁に乗り上げるのが好ましいはずがない。

 案の定、朝日新聞の記事を受けて、韓国の世論が悪化しつつある。合意を破棄せよ、という声も強くなっているようだ。韓国政府のメンツは丸つぶれだ。

 この報道について、韓国政府も、日本政府も公式に否定した。当然だ。


 ここで不思議なのは、朝日新聞はなぜ合意をつぶすような報道をしたか、だ。

 恐らく、自民党右派からは、「日本政府の10億円拠出は、慰安婦像の撤去が条件」という文言を入れよ、という強い要請はあっただろう。しかし、合意を急ぐ安倍首相や交渉のフロントは拒否したはずだ。

 自民党関係者に取材すれば、この文言が(公表されていないが)合意に含まれているはずだ、というような(手前勝手な)コメントをする議員が複数居てもおかしくない。

 あるいは、実際、裏で合意があったとしても、極秘にするはずだ。表に出したら、面倒なことになって、安倍首相の立場がないからだ。

 問題は、朝日新聞がそのコメントを真に受けて、「裏で合意があった」と断言したことだ。

 素人でも無い新聞記者がそんな事が分からないはずがない。


 朝日新聞には「慰安婦問題が解決して欲しくない」という意志があるような気さえする。


 私は、小さい頃から朝日新聞を読んで育ってきた。学生時代でも、朝日新聞は定期購読してきた。

 朝日ジャーナルや、科学朝日も愛読書だった。

 熱狂的と言うほどでもないが、どちらかと言えば朝日の論調を支持している方だ。

 しかし、慰安婦問題に関する朝日の報道には疑問を感じざるを得ない。