バラムツを食わせた話   2014.09/23


・考え事にもどる

   

 水族館員を養成する専門学校で、講師が生徒に「有害な魚」(バラムツ)を食わせたことが事件になっている。

 バラムツの脂肪のかなりの部分がロウ(ワックス)の仲間で、ヒトには消化することができない。消化できない物を大量に食えば下痢をする。乳糖(ラクトース)を消化できない体質の人が、牛乳を飲むと下痢をするのと同じだ。

 しかし、この場合、「牛乳を有害な飲み物」と呼ぶだろうか。

 マスコミには「定量的な考え方」が分からない人が多いのかも知れない。「大量に食えば下痢をする。」と「有害」の区別がつかないようだ。

 「大量に食えば下痢をすることがあるが、このくらいは大丈夫だ。」と説明し、希望者だけに試食させたことを、ことさら取り上げて事件に仕立て上げる。こんなマスコミに目をつけられたら、たまったもんじゃない。