バックカントリー遭難   2015.1/12


・考え事にもどる

   

 バックカントリーというのは、テレビや新聞の報道では「ゲレンデ以外」という意味で使われているようだ。面倒なので、そういうことにしておこう。

 私がよく登る己高山は1000mも無い低山だが、山頂近くでは3,4mの雪が積もる。本の2,3km下には人里が見えているのだが、一人雪の中に立っていると、ひしひしと恐ろしい。

 かつては、山スキーをするのは普段山登りをしている人たちばかりで、冬山の恐ろしさは知っていた。例えば苗場スキー場は標高1000mから1800mほどの所にある。そこがスキー場でなければ、冬山の経験のある登山家でなければ、たどり着くこともできない。

 しかし、普段ゲレンデで滑っている人には、そこが冬山のまっただ中だという意識は無いだろう。文明に守られていなければ何日も生きていられる場所ではないのに。

 冬山の知識も装備も無しにコースを外れたら、死ぬのは当たり前だ。登山者がスキーをするのと、ゲレンデスキーヤーがバックカントリーに入るのでは、全然違う。

 さらに言えば、ボーダーは全く死にに行くようなものだ。スキーなら何とか斜面を登り返すこともできるが、スノーボードで間違った谷に下りたら、即ちそこが墓場だ。