AEDの正しい用途   2015.4/29


・考え事にもどる

   

 最近AEDをよく見かけるが、その用途について、誤解があるような気がしてならない。

 多分、映画やドラマで、「もっと電圧を上げるんだ」「ダメです、死んでしまいます」「やるんだ、私が責任を持つ」。ピ〜〜〜ッ、バンッ。「だめだ、もう一度。」・・・・・ とかいうのを見過ぎたんだろう。



 「AED」は「Automated External Defibrillator」即ち「自動化された、外付けの、除細動装置」だ。

 大切なのは「心室細動」を除く装置である、という理解だ。決して、停止した心臓を再起動する装置ではない。



 心筋梗塞や外部からのショック(例えば、ボールが胸に直撃した、感電した、など)で、心臓がけいれんを起こすことがある。これが心室細動だ。

 心室細動は心停止とは違う。心臓がでたらめな動きをして血液を送れなくなる状態だ。



 そこで、外部から高圧電流を流して、強制的にけいれんを止める。そして、リズミカルな心臓の鼓動を再開させるのがAEDの働きだ。

 要するに、心臓を一旦停止させる装置で、止まってしまった心臓を再起動する装置ではない。



 血液の循環が止まると、短時間に脳死にいたる。止まった心臓の代わりに血液を循環させるのが心臓マッサージだ。心臓が正しく動き出すまでは、決してやめてはならない。



 昨今のAEDの普及で、「心臓マッサージをしなくて良い」と誤解している人が多いようで、気になる。