ヘンテナ(3) 430MHzハットヘンテナ
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 ヘンテナ(2)で作った垂直偏波のヘンテナをくるりと丸めると、ハットヘンテナになる。

 以前、ヘンテナ(1)で作ったものだ。

 作って何十年も経つので、大分汚らしくなった。フィーダーを取り外して、マストの構造も変えて、作り直す。
 エレメントは前のをそのまま使い、半田付けの必要なところは、ヤスリで磨く。

 給電線にはシュペルトップをつけて、一旦リングから直角に外に出してから下に降ろす。

 シュペルトップも無しで、給電線も内側に入れて、マストに沿わして降ろしても、そんなに悪くならないと思うが、ちょっと「通ぶって」みました。
   
 普通のヘンテナは給電点を移動してSWRを下げるが、ハットヘンテナではショートバーを移動させて調整する。

 何にしても、エレメントの切り貼りをしなくて良いので、調整が非常に楽だ。

 ショートバーを少し動かしてみて、様子を見る。いちいち半田をつけ変える。面倒だが、ワニ口などでやると、かえって手間取る。

 SWRが下がったら、半田をドッサリ盛って、完全に固定する。



 50MHzや144MHzではアンテナ自体が大きいので、ワニ口でやっても良い。しかし、430MHzではワニ口で調節して、上手くSWRが下がったと思って半田付けすると、またSWRが上がってしまう、ということがおきる。



 ハットヘンテナは普通のヘンテナよりさらにブロードだ。周りの影響を受けにくいので、調整してから設置しても問題ない。初めの調整が済めば、後は世話無しだ。
   
 マストは長めに作っておいて、軽トラに縛り付ける。

 こういう事ができるから、軽トラは都合がよい。

 頑丈に作ったので、もう少し高くしても良いのだが、車庫の入り口の関係で、これがギリギリ。
  
 ヘンテナは3エレ八木と同等のゲインがあるとか、果ては5エレ同等だとか、話がエスカレートしているようだが、怪しい。

 ループアンテナだから、ダブレットより少し良い、くらいに思った方が良い。

 さらに、丸めて無指向性にしたハットヘンテナでは、ゲインについては、ほとんど期待できない。



 ヘンテナのメリットはゲインではなくて、調整が楽で、設置も簡単ということだろう。

 このメリットは性能にも影響するから、バカにできない。調整しにくいアンテナは、追い込むのが難しくて性能を出し切れない、あるいは作りっぱなしという事も少なくない。

 あるいは、八木アンテナのように、周りの影響を受けやすいアンテナは、作った時はギリギリまで追い込んだが、経年変化が激しくて、いつの間にか性能が落ちていたりする。